決断のハサミ

チョキン、あ!痛い!血が出ちゃったでは困る!

ハサミほど便利な道具はありません。1日、何回も使います。見えるものばかりを切るのではありません。もっと頻繁に使っているのは見えないものを切るハサミです。このハサミを私は「裁ちバサミ」ならぬ「決断のハサミ」と名付けています。

朝食はパンにするか、ご飯がいいか、どんな服装で出かけようか、今晩は友達とお酒を飲もうか、あの話を妻にしようか、マンションを買うことにするか、今の会社を辞めるか、子供を家から出て独立させようか…これ、みな、決断バサミ。大きなことも小さなことも1日おそらく、20回ぐらいはゆうに使っています。私たちのすべての行動は決断の結果に結びつきます。

個人的なものはさておき、問題は集団の中での「ハサミ」の使い方です。問題がマスの人間にかかってくるので決断はよりむずかしく、慎重になります。何より、責任を取りたくないのが人情です。決断と同時に責任が生じます。ハサミを使ったら最後、自分の責任になるからです。
決断のはさみ図のごとく、上の刃には意思がいります。下の刃には決断したと同時に責任が生じます。大きな決断には大きな幅が、小さな事は小幅ですみます。当然、決断に使うエネルギー量は大きい、小さいで変わります。

大きなことも小さなことも決断する、あるいは選択する場合、そこには決断の理由(リーズン)が横たわっています。どう決断するか、何を選ぼうか葛藤(コンフリクト)が生じます。ガチャンと切った瞬間、それが良いものにしろ、悪いものにしろ、結果に対する責任(アカウンタビリティー)が生じます。

葛藤が生じるのは、情報が多くて迷う、失敗を恐れる、リスクを取りたくない、人に頼ってきた今までの習慣から、自分で決断できない、前例がないからどうしてよいかわからない・・など多くの不安材料が横たわっています。なかでも一番大きな理由は責任を負わされたくないという思いです。

組織の中ではっきり決断が下されないとみんなに大きく影響します。国民も社員も上司の決断の結果が示されないと進む方向が見えません。今の社会では、それゆえに不安を抱えている人が多いようです。無責任な決断に、人々は無関心になり、トップから離れていっています。なぜなのでしょう。

さらに、昨今はメディアやネットが炎上、「公開処刑」などと物騒なことを言ってすぐさま人をつるし上げ、叩きのめす悪しき習慣が出来上がっていますから、人間はさらに臆病になってきました。上手に綱渡りして、可もなく不可もない生き方を強いられ、上手に逃げられるよう汲々としています。

決定事項を先延ばしにし、意見を濁し、逃げ腰の姿を目にします。「次回の会議でさらに話し合おう」「鈴木さんの意見は妥当と思われます」「他社がそうしているのだから、わが社も」「他の国でうまくいっているのだから、わが国も」などその場で決定をしないように伸ばしに伸ばし、意見はまとまらず、他人や他の会社や国を引き合いに出すなど「逃げ」「時間稼ぎ」に明け暮れ、「責任が転嫁できるような言葉」を選んで発言しています。

言い訳、弁解、責任転嫁、とりわけ部下を生贄にするなどは許されません。
意思決定集団に私たちは希望を失い、期待せず、どうでもいいと、やる気を失っていく人が増えていく一方です。リーダーでいるからには、上に立つからには,下記の3つがなければその場にいること自体が間違いです。
決断を下すには「意志の強さ」「チャレンジ精神」「責任を果たす覚悟」が必要です。

組織や、国政に携わっている人にはそれらを使うために給料が支払われていると言っても過言ではありません。包丁やハサミを研ぐのと同じく、「決断のハサミ」も、シャープで切れのいいように、日ごろから研磨しておく必要があります。
どうすれば、私たちは3つの条件を備え「決断のハサミ」を使える理想の上司やリーダーを見つけ、選出することができるのでしょう。その人たちを選んだ我々にも責任があります。
その方策を見つけてみたいと思います。

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プロフィール

山川 和子

Author:山川 和子
世界的ブランド「フェイラー」創業者 山川和子が起業家になりたいあなたへ「私の経験」から語れることをお伝えしましょう。

ビジネス成功へのキーワード「インタンジブル」(無形の力)を使って理論的、かつ実践的に学び、「成熟した人格」「感動的な人生を送るための手腕」「文化的な富裕」を同時に身に着けられることでしょう。

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「住みよい街」ホーエンベルク財団

日独で執筆&講演活動中 

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