人間関係 入り口は会話

「あの人がしゃべっていることはちっとも理解できない」「私が言っていることは全然通じない」「どんなに説明しても違うふうにとられる」こんな経験は職場や家庭では日常茶飯事です。

世のなか、似通っている人はいても同じ人はいない。さらに、私たち一人一人、異言語で会話をしている。自分の考えのもと、それぞれのスタイルでしゃべっている。それでなくても、価値観も異なり、立ち位置も違うわけだから会話だけで相手を理解するのはむずかしい。

お互いを理解し、信用できる関係など、ほんとうはあり得ないのかもしれない。どこかで歩調を合わせ、角を立てずに、納得したふりをして上手くあしらうのが大人の流儀なのだろうか。子供のように言い合いし、喧嘩をしてもすぐ元に戻るわけにはいかない。メンツもあり、照れ臭いなど、余計なものもくっつく。大人にとって人間関係は永遠にトレーニングすべきテーマだ。そのファーストステップが会話です。

身近な例ではないけれど、歴史や文化を知るために次のようなお話をしてみようと思います。

時は19世紀、舞台はオーストリア、ハプスブルク帝国、世界一美しいと謳われた皇后エリザベート(シシー)と帝国を仕切ってきた大公妃ゾフィーに登場して頂きましょう。

200年近く前の最高位にあった人の人間関係も、今、生きている私たちの人間関係と何ら変わりありません。
ハプスブルグ表
基本的にこれだけの違いのうえ、夫カール皇帝を葬っても息子を皇帝にしたてた凄腕の母だったが、その権力を昔と同じように持ち続けるわけに行かなくなった。

ゾフィーも昔はルートヴィッヒ1世の美人画ギャラリーに収められたほどの美女であった。しかし、もはや中年も過ぎその面影もない。年若き世界一の美女と謳われるシシーに席順も美貌も明け渡すことになった。

シシーの子供の教育権も取り上げ、エステルハージー女官長をお目付けにシシーを君主制教育で縛り上げ、圧倒的に支配する。心も身体も共に病み、宮廷生活に耐えられず、シシーの悲劇が始まります。宮廷から出て旅に明け暮れ、60歳で没。大公后と関係がうまくいっていれば旅先で暗殺される運命にはならなかったシシー。
「私はカモメ、燕の巣には帰れない」亡くなる前、心境を詠った哀惜の詩です。

「シシー、あなたは本当に美しい。私もかつてはそうであったけど。あなたは、わが息子フランジ―の誇りよ。宮廷生活は若いあなたには異世界であるけれど、ここにはここのしきたりがあるので、苦労すると思うけど、少しずつ慣れてね、外交が忙しくなるから、子供の世話は任せてね。何かあったら女官長のエステルハージーにお聞きなさい。何でも教えてくれるはずよ」と、喉まで出かかっても言えなかったゾフィー大公后。

「お母さんうるさいな、もう言わないで」 ばたん、とドアを閉められないように!
「あなた、どっちの味方?」と返事の出来ないような質問を夫にしないように!
古今東西、同じような緊張した状況が展開されていますね。

人間関係の入り口である会話がどれほど大切か、あなたは真剣に考えたことがありますか。会話術のプロになれなくてもせめて、数学者の藤原正彦さんも書いておられるように外国語を学ぶ前に、日本語の使い方を大いに学んだほうが良い。大賛成!

人間関係、 ほんとうに入り口は会話からですね。
次回は自分がどんな言語を発しているか、性格からくる異言語の世界をひも解いていてみたいと思います。

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立ちどまるだけで効果あり

「信用」と「信頼」を、それぞれ分けて考えるとすっきりしたでしょう。信用は義務を果たす実行力を養い、信頼について考えることは、いかに傷つかず、苦労しないですみ、よりよい人間関係を築くためのトレーニングです。

最も信頼にかかわる人間関係はむずかしく、エゴを持った人間同士が社会の中でぶつかり合いを避けて生きていくのは至難の業(わざ)です。正直、死ぬまでこの道の達人になれないのが現実です。人間は、3歳ぐらいまでは損得を計算せず生きると聞きましたが、それ以降は「何をすれば自分の欲しいものが手に入るか」「どうすれば、自分に愛情を仕向けられるか」というふうに知恵が働くそうです。それ以降は子供といえども、猛スピードでエゴを発達させます。

ドイツにテン二エスという社会学者がいます。自分を取り巻く共同体で、人間は利害関係で結ばれている社会(ゲゼルシャフト)に生きています。そこは資本と労働、雇用、金融、為替、株式、動産、不動産などで縛られている社会です。いっぽう、利害関係のない社会(ゲマインシャフト)にも生きています。地縁、血縁、民族、師弟関係、宗教、芸術文化など中心に生きる関係だとしています。

こうしたテン二エスの考え方は、私の考え方、人間が見えるもので結ばれている社会(タンジブル)と、見えないもので結ばれている(インタンジブル)な社会の両方で生きていることを説いているのと、共通するものがあると思います。

私たちはサルタンバンク(軽業師)のように生きています。なぜなら、立場の違う人同士、夫婦、親子、兄弟、友だち、上下関係、先輩後輩、先生と生徒、取引先、顧客、恋人、同僚、隣人、趣味仲間、嫁と姑、知人などざっと見渡してもこんなにも多くの縁に結ばれ、しかも同時進行でその関係を生きているわけですから、だいした道化の技(わざ)の持ち主です。

互いが築いてきた関係にかけた時間がロスにならぬよう、社会の中で幸せと安心、信頼がさらに深まるように生きるには普段から心がけるべきことは何でしょうか。言葉にすれば良く理解できるのに、日々、実行に移すのは容易ではありませんがご安心ください。時々はっと気づき、立ち止まるだけで、かなりの成果を上げるからです。賢い人は立ち止まることを知っています。

1 自分にないものを相手の中に見つけても嫉妬しない。(美醜、お金、身分、その他)

2 相手が自分の手本であると思わない。あなたが自分自身の手本である

3 どの人も異なる環境、違う資質をもって生まれているので「異なる」を認める

4 相手を支配しようとしない

5 いくら親しくてもほどよい距離感を持つ

6 親しい関係であってもマナー、言葉、態度に気を付ける

7 いい時ばかりが関係を結ぶ期間ではない=相手がピンチのときに何ができるか

8 頼りすぎず、頼られすぎず、バランスを保つ

9 心の状態、経済面を開示した付き合いは無理をしないで互いに自然体でいられる

10 相手との間で波長がズレてきたと思ったら、場合によっては関係を断つ

11 相手にも自分にも正直でいる

12 気づかいし過ぎ、過剰な愛情や期待は相手も自分も疲れる

こんなことを考えながら、あなたとハズバンド(7)、あなたとお姑さん(12)、親しいお友だち(6)、子供(4)、上司(3)、仕事仲間(8)などと思い浮かべてみて下さい。なるほどと思うことばかりでしょう?どんな関係も突っ走らないでください。 はっと、立ち止まるだけで良い効果が出るのが信頼というインタンジブルの力なのです。
立ち止まる

「社会人として」「家族の一員として」「人間として」「経営者として」「仲間として」・・・

あなたは信頼されていますか?

あなたがなぜ信頼されていないのかを知っていますか?


プロフィール

山川 和子

Author:山川 和子
世界的ブランド「フェイラー」創業者 山川和子が起業家になりたいあなたへ「私の経験」から語れることをお伝えしましょう。

ビジネス成功へのキーワード「インタンジブル」(無形の力)を使って理論的、かつ実践的に学び、「成熟した人格」「感動的な人生を送るための手腕」「文化的な富裕」を同時に身に着けられることでしょう。

  <独ホーエンベルク>
YSH山川高齢者施設財団
「住みよい街」ホーエンベルク財団

日独で執筆&講演活動中 

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