勇気はインタンジブルなエネルギー。それは、いったいどこから出てくるのでしょう。
このエネルギーはどんなもので、どのような作用や効果をもたらすのか。それを知っておけば、あなたは勇者となって成功をつかむかもしれません。
はじめてエベレストに初登頂を果したヒラリー卿や、大西洋を単発の飛行機で横断したリンドバーグのような偉大な冒険家から、身近なところでは、愛する気持ちをドキドキしながら恋人に打ち明ける人、ぬるぬると気持ち悪いタコやイカ、あたれば死ぬという河豚(ふぐ)を初めて食べた人、難関な試験にトライする学生さん、業績の悪い会社をさっと縮小させる社長さん、妻に、おこづかいの賃上げを迫るお父さん・・考えてみると生きていくうえで、勇気を出さなくてはならない場面が何と多いことかに驚かされます。
まして、昨今の世界の状況の中では生死をかけて勇気だけを頼りに生き抜く人々の数は想像を絶するほどに増加しているに違いありません。
では、いったい勇気とは?
〇 まわりの人が不安や恐れ、恥ずかしさを感じ行動にうつさないことを積極的にやる気力
〇 失敗を恐れず目的に向かって全力をかける意志の強さ
〇 結果を問わず、未知のゴールに向かって自分を奮い立たせるエネルギー
〇 人に背中を押されたり、受け身や義務感ではなく、自発的なもの
これを理解するとすべての人が成功に向かう勇者になれるはずです。それなのに、エネルギーを何のために使うのか、その目的さえ立てていない人がほとんどです。順風満帆でないと船を出航させたくないと思っているなら、あなたは甘えん坊で、スポイルされています。一気呵成に出さなくても、準備万端整えてあなたのペースで、静かに出しても良いのです。覚悟を決めて出すエネルギーですから勇者は焦りません。
さて、経営となると、経営者に求められる資質の筆頭に来るのは、勇気ある人=チャレンジャーであると思います。全員を指揮するうえで、トップに立つ人が不安を持ち、失敗を怖がっていては、人はついてきません。むしろチャレンジしないで残る後悔は一生ついてまわり、まわりを不幸にします。精神的には苦い傷を残し、勇気をもってチャレンジするなら失敗したとしてもそこから学ぶものは絶大です。さもなければ、それさえ手に入りません。
生きていく上でも、経営する上でも、もう打つ手がないと追いつめられた時、行き詰まってしまった時、ほんとうに打つべき最後の手はないのでしょうか。
あります。
勇気です。
「方向転換する勇気」「原点に戻す勇気」「過去を捨てる有機」「悪い結果を受け入れる勇気」「待つ勇気」「閉店、縮小、撤退する勇気」など、これらは決してネガティブな勇気ではありません。さらなる次のステップに踏み出すための一歩なのです。
あなたが、「メンツにかかわる」「格好が悪い」「恥ずかしい」「人より劣る」などと考えるなら、常に、人を対象に物事を考える癖がついています。自分の考えを中心に、自分の意志で決定すれば、勇気とともに、自信もついていきます。人の勇気にのっかるなんてそれこそ、恥知らず、格好が悪い人の代表格です。