福島から知る「インタンジブル」

前回のブログで説明した花の元素のように、見えないところで活躍するインタンジブルなエネルギーは、いい結果ばかりを生むわけではありません。

地震(陸)、津波(海)、原発(空)の3つの方向から重なる大災害がなければ、水仙や桃の花咲く美しい里山の風景と、三陸の海の幸を求めてどれほど多くの観光客が訪れたことでしょう。すでに10数年がたった今でも、私たちは「福島」を忘れていません。

地殻の動きで地震や津波が起こるのもタンジブル(有形)とインタンジブル(無形)の関係です。深い海の底でため込まれているエネルギーをだれも見ることが出来ません。いつ動くともわかりません。見えないところに潜む力、インタンジブルの最大級の恐ろしいパワーです。その見えない力が、すべての有形物、見えるものを破壊し尽くしました。

人間の欲望と便利さゆえに開発された原子力エネルギーを見ることはできません。私たちは、その恩恵を受けつつも、危険性と隣り合わせで生きています。原子力エネルギーの破壊のおそろしさ、その一方で電力をまかなう頼もしさ、無形の力の危険性と利便性の2つの側面を、人類はどうとらえて、将来に向かうのが正しいのでしょう。人類は危険なインタンジブルパワーをつくって、自業自得の落とし穴にはまりこんでいるのです。広島、長崎、そして、フクシマ、恐ろしいインタンジブルパワーで美しい都市が壊滅されました。

2011年、福島大惨事のすぐ後、テレビで流された80歳すぎのおじいさんのインタビューをテレビで見ました。いまも忘れることができません。有形とは何か無形とは何かを悲しい出来事の中で教えられました。消えてなくなるはかない有形のものに埋まって生きている私たちが、いかに無形の力に支えられて生きているかを、知らされました。その2つを失ったおじいさんの言葉をお聞きください。

「家は流されてしまったけど、また建て直すことができる、私は頑張って建ててやる。でも家族は流されてしまった、もう、戻らない」 淡々と語る姿からは心意気と同時に言葉にならない悲しみが伝わってきました。おじいさんの何気ない言葉ですが、私は、おじいさんの悲しみの中に2つの価値の違いを学びました。おじいさんの語るように、確かに有形の家は、いつの日か、手に入れることが出来るでしょう。だけど、その中にあった、家族の団らん、いたわり、励まし、喜びといった無形の価値を、おじいさんは取り戻すことが出来ません。
老人と海
家屋(HOUSE)はタンジブルであり、家族(HOME)の愛情や絆はインタンジブルです。両方を失ってしまったおじいさんは悲しみを乗り越えられたでしょうか。福島の悲劇から私たちは見えないものの価値の良い面も、恐ろしい面も学びました。

見えない力を意識せず、見ようともせず、無邪気に生活をしている私たちは、たとえ小さいと思える見えないものでも、それらが力をもっていることに気づく訓練をしておいたほうが賢明であるといえます。そうすることによって人類、すこしは謙虚になるでしょう。

福島からは様々な見えない力の強さ、怖さを教わりました。私たちの代わりとなって、それを経験し、犠牲になった人々のことを思い出すと胸が詰まります。

スポンサーサイト



花が美しいのには「わけ」がある

ブログによく出てくる「タンジブル」「インタンジブル」という言葉について、このあたりで説明をしたいと思います。

花屋さんに行くと、たくさんの花が美しいので迷ってしまい、最後は店員さんに「あなたにおまかせするわ」と言ってしまいます。セロファンに包まれ、リボンをかけられ出来上がった花束にお代金を支払い、配送を手配します。

あなたは花の一部分を見てその美しさを愛でていますが、スパッと切られた茎の下を覗いたことがありますか。泥のついた髭、ひん曲がった根っこ、中には虫もくっついていたりして、どろどろの花の正体があらわに見えます。汚い土中で水分や養分を吸収しているのですが、まさにここが花の「仕事場」なのです。24時間働きっぱなし。本来ならば、この目に見えない地下の労働の対価にお支払いしなければなりません。

花は定位置から動けないし、言葉も話さないのに、蜂や蝶々、風とコラボして子孫を増やしています。何としたたかな生き物でしょう。花の凄さを知ったら、「花は美しい」だけではすみません。「花はプロフェッショナル」「花は無限の力を秘めている」「花の頭脳は私たち以上」と言わねばなりません。 無形の力花

さらに、見えないところで、花はたくさんの仕入れ先から生きるための元素を買い付けています。カリウム、マグネシウム、リン、鉄、銅、水素、ヨード、亜鉛、刃物をつくるのに欠かせないモリブデン、原発で一躍名前が広まったセシウム、マンガン、など35、6種の元素がなければ、葉っぱは緑、花は、赤、黄色、白、になって咲かないからです。

ちょうど自分に必要とするだけの買い付け量を知っています。人間のように欲を出して、ため込もうとしません。黙々と作業をし、見えない作業場からやっと地上に出るときの姿はわずか数ミリ。その小さな姿をたくましく成長させるために厳しい自然現象にも耐えます。このプロセスを知らず、美しく、見える部分=タンジブだけにお金を支払いますが、本来なら、私としては見えない労働力=インタンジブルに支払ってあげたい気持ちでいっぱいなのです。あなたはどう思いますか?

物も人間も、見える部分(タンジブル)だけで成り立っているのではありません。見えない部分(インタンジブル)にこそ、その物の、実体があります。見える部分は、見えない部分に潜むエネルギーで支えられている結果です。見える部分だけで、定義づけず、決めつけず、評価せず、見えない部分、隠れている姿を知ったうえで評価を下したいものです。

姿や形になって表れた見えるもの(結果)は見えないパワー(原因)が存在しインタンジブルは、決して表に出ることのない蔭の実力者であることを知りました。

英国にジェームズ・アレン(1864-1912)という謎めいた思想家がいました。彼の著作は旧約聖書に次ぐベストセラーと言われています。アレンは、すべての「結果には原因がある」という法則を説いています。西洋にも仏教に似通った思想があるのだなと思います。つまり、この考え方は普遍的なのかもしれません。

花を一例として見えない力の凄さを説明しましたが、表面だけを見るのではなく、より深く見て、本質に迫り、なぜ見える部分がそうあるのかの原因を知ることが大切です。想像力を働かせ、好奇心や探求心、疑問をもって問うことであなた自身も深まったものの見方が出来るようになり、成熟した人格を養うことができるでしょう。
次回は怖いエネルギーについても考えてみたいと思います。

プロフィール

山川 和子

Author:山川 和子
世界的ブランド「フェイラー」創業者 山川和子が起業家になりたいあなたへ「私の経験」から語れることをお伝えしましょう。

ビジネス成功へのキーワード「インタンジブル」(無形の力)を使って理論的、かつ実践的に学び、「成熟した人格」「感動的な人生を送るための手腕」「文化的な富裕」を同時に身に着けられることでしょう。

  <独ホーエンベルク>
YSH山川高齢者施設財団
「住みよい街」ホーエンベルク財団

日独で執筆&講演活動中 

最新コメント

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR